同一メーカーから複数形態が出てこないのは・・・

買うほうからしてみれば、なぜそういう不便な状態なのか、理解に苦しむ。特に国鉄の各形式は長期間の増備で、設計変更に応じた明らかな外観の変化があって、その前後の形態が現場で混用されているにもかかわらず、模型製品*1としては一形態だけ切り取ってきて、その範囲内でしか展開されないという状態が、未だに続いている。目立つ変化が少ない急行型電車*2は別として、「編成美の強要」ともいえるのではないだろうか*3。特にその傾向が強いのが近郊型電車。定評のある大手メーカーからは、シートピッチを拡大したグループのみの製品化、載せ買え用の初期型の車体もあるにはあるのだが、別のメーカーの製品で、精度・縮尺基準の差が気になる方もいると思う。改造するのが手っ取り早いのだろうが、最低限新製された基本形態だけでも同一メーカー・仕様で出してもらいたいところで、商業的にもそこを狙わないのは、商機を逃していると見ることも出来よう。
対照的に485系列は、TOMIXから豊富な形態で商品化(早期に初期型と1000番台が出ていたため、同一仕様で形態差を楽しめる前提は元からあったが)されており、複数メーカーが製品化している国鉄型形式では貴重な存在となっている。

*1:ここでは「特定仕様に絞らず、組成の自由度が高い製品」

*2:大規模な設計改良が及ぶ前の段階で製造が終了していたため

*3:金型節約という意味合いでは承知できるが、「編成中で形態差を楽しむ」ということは、鉄道趣味の醍醐味といえるので、敢えて批判する。